My Serbia(マイセルビア)

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「コプリヴァ」という名の万能植物の秘密【セルビアの田舎体験記・第1回】

【文/小柳津 千早】

はじめまして、My Serbiaの小柳津 千早です。私は大学卒業後にセルビア語を学ぶためにベオグラードに5年間滞在しました。そこで日本語学科に通うセルビア人の女性と知り合い結婚。今は妻と子ども2人と一緒に東京に住んでいます。

妻の実家はセルビア南西部のアリリェという小さな町にあります。毎年、夏には妻の帰省もかねて、1か月ほど田舎暮らしをします。

My Serbiaでは、セルビア暮らしの経験にもとづき、面白いネタを集めて、ご紹介したいと思います。

セルビア人が愛してやまない植物
kopriva

セルビアの田舎に行くと「コプリヴァ(Kopriva)」という植物が道端や家の庭先で見られます。日本語では「イラクサ」と呼ばれますが、日本人にはあまり馴染みのない植物です。ただ、別名は「蕁麻(じんま)」と言い、「蕁麻疹(じんましん)」の語源となっています。

コプリヴァの葉と茎には細くて柔らかい毒性のトゲがあり、触れると皮膚に強い痛みが生じます。すぐに赤く膨れ上がり、チクチクとした痛みが続きます。これが蕁麻疹と呼ばれるゆえんです。

一見、厄介な植物と思われますが、セルビアではコプリヴァは健康長寿の薬草として広く親しまれています。ビタミンとミネラルが豊富なことで知られており、スープやパイに入れて食べたり、乾燥させてハーブティーとして飲んだりします。ほかにも、シャンプーや石鹸の原料にも利用され、フケ、かゆみなどの頭皮トラブルや敏感肌に有効と言われています。

また、5月6日のジュルジェヴダン(聖ジョルジェの日)には、健康祈願のためにコプリヴァを使って草冠や花輪を作ったり、子供にあえて触らせることで病気を追い払ったりするなどの習慣があります。

なお、コプリヴァは春から夏にかけて成長する植物ですが、生の状態でスーパーマーケットや市場で売られることはありません。コプリヴァのハーブティー、シャンプー、石鹸を購入するならドラッグストアに。季節を問わず、非常に安価でお買い求めできます。


文/小柳津 千早

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