【文/古賀 亜希子】
My Serbia Gallery第6回目は、イシドラ・フィチョヴィッチ(Isidora Fićović)さんの作品をご紹介します。
セルビアでマルチメディアアーティストとして活動するイシドラさん。
実はイシドラさんとはこれまでお会いしたことはありません。イシドラさんご自身が、My Serbiaのサイトを見つけ、サイト内にオンラインギャラリーがあることを知り、作品を紹介したいとご連絡をくださいました。My Serbiaにとって嬉しい出会いでした!
「Every Dot is a new beginning」
イシドラさんは、長い研究キャリアの中で実験的な作品を作り続けています。 今日ご紹介する作品は、2020年にベオグラードのSelling Gallleryにて発表された作品です。この作品は、イシドラさんの博士課程におけるプロジェクト「The Gestural Rhythm of a Dot」の一貫として発表されました。
この展覧会でイシドラさんは、都市のパーソナルスペースを視覚的に表現することを試みました。イシドラさん自身が表現者として様々な都市で経験してきた体験をもとに、イスタンブル、リンツ、広島、ベオグラードなど世界中の異なる都市で象徴的なシンボルとなるものを見つけ、ドットやその色、密度によってその都市の人、建築、空気感を色で表現しました。ドットの密度は、都市生活の強さを抽象的に表現しているとも言えます。
「Every Dot is a new beginning」という言葉が、日本語、トルコ語、セルビア語、ドイツ語で同じ意味を持ちながらそれぞれの発音を持つように、都市はそれぞれのリズムを持ち合わせています。
詩的で、哲学的で、実験的な表現を追求するイシドラさんの試みをぜひご覧ください。
作品ページはこちら