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日本とは異なる保育園事情 1ヶ月間息子を送迎して分かったこと【セルビア移住生活:第4回】

保育園の玄関

【文/小柳津 千早】

セルビア移住生活を始めて1ヶ月が経ちました。今回は3歳の次男の保育園について簡単にご紹介したいと思います。

次男が通っていた日本の保育園は異年齢保育を採用していましたが、セルビアでは完全なクラス制です。2人の保育士が29人の園児を担当します。隣の部屋には同年齢の子どもたちがいて、共同の洗面所とトイレを使いますが、部屋間を移動して交流することはありません。次男たちがいる部屋はあまり大きくありませんが、園庭は驚くほど広くて、すべり台やブランコなどの遊具も整っています。樹木や芝生の緑もとても気持ちいいです。園児たちは毎日決まった時間に外に行き、自由に遊ぶことができます。

広い園庭

保育園の持ち物は、着替えと上履きのみ。おむつはダメなので、3歳児クラスまでにパンツに移行する必要があります。日本ではおもちゃを持って行くことは許されませんが、こちらでは担当の保育士が決めます。例えば、次男の保育士の場合、小さなおもちゃ(ミニカーなど)はOK。以前、隣の部屋の保育士が急きょ面倒を見る日があったのですが、その時「うちのクラスはおもちゃなし」ときっぱりと断られました。

連絡方法も独特です。連絡帳はなく、メッセージアプリのViberを使います。保育士と保護者が一緒のグループになっているので、「明日は園庭で走るので、汚れてもいい格好で来てください」とか「息子が水ぼうそうになったので休みます」といったやり取りが行われます。中には「今週土曜日に娘の誕生日会をやるので来てください」といったプライベートの連絡もあります。先日、次男の機嫌が悪くて引き渡し時にギャン泣きしたのですが、その後、保育士から次男の笑顔の写真とともに「心配しなくていいですよ」というメッセージが送られてきました(こういう場合は個人間のやりとり)。とても温かい気持ちになりました。

ほかには、衛生用品は保護者が購入して園児たちで共有する、ことに驚きでした。毎月、保育士からViber経由で必需品リストが送られてきます。例えば10月は、手拭き用のキッチンペーパー、ウェットティッシュ、ポケットティッシュ、プラスチックコップでした。保護者は自費で購入して保育士に渡さなければいけません。

園での食事についてもご紹介します。毎日、朝食(8時すぎ)、おやつ(12時ごろ)、昼食(14時すぎ)、果物(昼食後)の時間があります。毎週、メニューが掲示板に張り出されます。日本の保育園の献立と比べると、野菜の数が少なく、甘いものが多い気がしますが、どうでしょうか。

月曜日
朝食:ライ麦パン、ひまわりの種バターと卵のクリーム、チョコレートスプレッド
おやつ:チーズ入りレーズンパン
昼食:レンズ豆とベーコンの煮込み、キャベツサラダ、パン
果物:りんご

火曜日
朝食:チーズ入りきび粉パン
おやつ:ビスケット
昼食:豚肉とじゃがいものパプリカ煮、キャベツサラダ、グラハム粉パン
果物:りんご

水曜日
朝食:全粒粉パン、マーガリン、チキンハム、ハーブティー
おやつ:ライスプディング
昼食:牛肉のスープ、クリームチーズパスタ、ピクルス、パン
果物:バナナ

木曜日
朝食:ライ麦パン、チョコレートスプレッド、牛乳
おやつ:クラッカー
昼食:蒸し野菜、ミートボール、キャベツサラダ、パン
果物:りんご

金曜日
朝食:コーンブレッド、ヨーグルト
おやつ:ビスケット、はちみつ入りオレンジ&レモンジュース
昼食:牛肉とインゲン豆の煮込み、キャベツサラダ、全粒粉パン
果物:バナナ

最後にコロナウイルス対策について。建物の入口にはアルコール消毒液が置いてあり、保護者は園内でマスクの着用を求められます。保育士は終日マスクを付けていますが、園児は義務付けされていません。園内に清掃人がいますが、定期的に消毒しているかは不明です。

それでは今回はこのあたりで。また新しいことが分かれば、ご報告いたします。


【文/小柳津 千早(おやいず ちはや)】大学卒業後、セルビア語を学ぶためベオグラードに留学。そこで日本語学科に通う学生と出会い、無職の身でプロポーズをして見事成功。現地で約350人の前で結婚式を挙げる。帰国後、スポーツメディア関連会社に3年半、在日セルビア共和国大使館の通訳として10年間勤務。2021年10月中旬からセルビアに移住。YouTubeチャンネル「セルビア暮らしのオヤ」で現地の自然、文化を配信中。

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