【文/新戸 雅章】
19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したセルビア人発明家ニコラ・テスラは、交流電力システムと無線の業績で知られる大発明家です。わたしたちが日々使用する電気は、発電所でつくられる交流電気ですが、この交流に基づく電力システムの完成者こそニコラ・テスラなのです。
1856年、オーストリア帝国のセルビア人居住区に生まれたテスラは交流モーターの原理を発見したのち、渡米して発明王エジソンの助手になります。しかし、直流にこだわるエジソンと対立し退社。その後、ジョージ・ウェスティングハウスとともに、交流に基づく電力革命を成し遂げます。
その後は無線の分野に移って基盤技術を確立し、無線照明、無線電話、ラジオ、無線操縦など数々の発明を行いました。さらに電力の無線伝送に挑戦しますが、資金難から挫折。1943年、86歳で失意と孤独のうちに亡くなります。
しかしながら、1980年代には世界中で再評価の気運が高まり、今やエジソンと並ぶ大発明家の地位を揺るぎないものにしています。
「セルビアフェア2024」出展情報
日本セルビア協会主催による「セルビアフェア2024」が10月13日(日)、東京の代官山ヒルサイドテラスで開催されます。「テスラ研究所」のブースでは、セルビアの英雄の偉大な業績を広く知らしめるべく、パネル展示、映像展示、関連書籍やパンフレットの販売・展示などを行います。
展示物:
・二コラ・テスラの業績を記したパネル
・テスラコイルとテルミンによる演奏の映像
・テスラ関連書籍、パンフレット、ポスター等
販売物:
・『増補新版 天才二コラ・テスラのことば』小鳥遊書房、特価1800円
二コラ・テスラが彼自身のことばによって、発明人生を語った日本最初のテスラ名言集。現在、増補新版が好評発売中。
・『テスラ没後80年記念イベント・プログラムブック』テスラ研究所、100円
・2023年開催の没後イベントのプログラムブック(「テスラ小伝」掲載)
「セルビアフェア2024」に関する詳細は以下のリンクから。
【文/新戸 雅章】1948年藤沢生れ。横浜市立大学卒。作家、テスラ研究所長。セルビア人発明家ニコラ・テスラの研究をライフワークとする。1993年に筑摩書房より刊行した『超人ニコラ・テスラ』は日本最初の本格的テスラ紹介書となり、1990年代のテスラ・ブームを牽引した。主な著書は、『平賀源内』(平凡社新書)、『天才ニコラ・テスラのことば』(小鳥遊書房)、『江戸の科学者』(平凡社新書)、『知られざる天才ニコラ・テスラ』(平凡社新書)、『発明超人ニコラ・テスラ』(筑摩書房)、『バベッジのコンピュータ』(筑摩書房)ほか。
【テスラ研究所】設立:2003年。代表(所長):新戸雅章。セルビア人発明家ニコラ・テスラについて研究し、その偉大な業績を広く知らしめる活動を行うべく、2003年、テスラ研究家新戸雅章を代表に設立。主な事業は、生誕記念イベントなどテスラの業績を顕彰するイベントの開催。テスラに関連する出版物の企画・編集・発行。テスラ関連のテレビ番組の企画・代表の出演。代表による全国各地での講演活動。ホームぺージの運営等。
これまでの主な活動
2003年 新戸雅章訳編「テスラ自伝」(テスラ研究所)
2006年 テスラ生誕150年記念イベント(川崎・テスラ研究所主催)
2007年 新戸雅章企画・講演「テスラーガーンズバック連続体」(世界SF大会・横浜)
2008年 新戸雅章「天才の発想力」(ソフトバンク・クリエイティヴ)
2013年 テスラ没後70年記念イベント(藤沢・テスラ研究所主催)
2015年 新戸雅章「知られざる天才二コラ・テスラ」(平凡社新書)
2019年 新戸雅章編著「天才二コラ・テスラのことば」(小鳥遊書房)
2022年 NHK-BS「ダークサイド・ミステリー」(新戸雅章出演)
2023年 テスラ没後80年記念イベント(東京・セルビア大使館との共催)