【文/ティヤナ】
ドバルダン!(こんにちは) 「My Serbia」のメンバーで、YouTubeチャンネル「Tiki’s kitchen」にてセルビア料理を紹介しているティヤナです。
2025年6月末、大阪・関西万博のセルビア共和国パビリオンを訪れました。訪問日は月曜日で、非常に暑い日でしたが、会場は多くの来場者でにぎわっていました。セルビア館は素晴らしい立地にあり、首都のベオグラードを流れるドナウ川とサヴァ川が合流する中州の島を模した「浮かぶ森(Floating Forest)」というコンセプトで設計されています。外観は約3000株の植物で覆われています。パビリオンのテーマは「遊びの社会(Play Society)」で、創造性と自由な発想を大切にするセルビアの文化が表現されていました。

私たちのパビリオンの前には長い行列ができており、小さなお子さんを連れたご家族の姿が多く見られました。というのも、セルビア館には子ども向けのインタラクティブなゲームがあり、お子さんにも大変人気があるからです。パビリオンの館長であるマヤ・アントロヴィッチさんをはじめ、チームの皆さんは訪問者を温かく迎えてくださり、いつでも笑顔で親切に対応してくれます。

私は大のグルメなので、特に気になっていたのがセルビア料理のレストランでした。展示を見学した後、さっそくそのレストランに立ち寄り、本格的なセルビア料理を味わってみました。大阪・関西万博セルビア館公式Xによると、有名なグルメレビューサイト「食べログ」では、セルビア館のレストランが外国パビリオンの中で人気第1位、全体でも日本のレストランに次いで第2位にランクインしていました。その評判を裏付けるかのように、レストランの前にも長い列ができていました。

私はせっかくの機会なので、ほぼ全メニューを注文してみました。まずは「ヨーグルトサラータ」と呼ばれるヨーグルトベースににんにく風味をきかせたサラダからスタート。私は「トマト&キュウリ」を頼みましたが、「トマト&アボカド」という組み合わせも良さそうです。さっぱりとしていて、日本の暑い夏にぴったりの一品でした。とても美味しかったので、東京で開催している私の料理教室でも、ぜひ似たサラダを紹介してみたいと思っています。
続いて、セルビアの名物である「チェヴァピ」(香ばしく焼かれたひき肉のグリル)、素朴な味わいの「プロヤ」(トウモロコシのパン)、さらに「ピタ・サ・メソム」(ひき肉のパイ)と「ピタ・サ・シロム」(チーズのパイ)など、バラエティ豊かな料理が並びました。中でも気に入ったのは、「ピタ・サ・シロム」。ほんのり塩味のきいたチーズと生地の食感が絶妙で、ぜひ多くの方に味わっていただきたい一品です。デザートには、ジャムを挟んだ伝統的なクッキー「ヴァニリツェ」をいただきました。どれも家庭的で温かみのある味わいで、セルビアの食文化の豊かさをしみじみと感じました。そのほかにも、デザートとして提供されていた「ベリーヨーグルト」や「マンゴーヨーグルト」、セルビア固有のブドウ品種を使ったワインも評判が良く、多くの来場者が楽しんでいるようでした。

また、今回の訪問では、セルビア館のレストランを全面的に運営されている会社のオーナーの方とお話しする機会もありました。お話によると、レストランでは定期的にメニューを更新する予定があり、その一環として「ムチュカリッツァ」(豚肉のパプリカ煮)という伝統料理の試食をお願いされました。私はありがたく試食させていただき、自分なりのコメントをお伝えしました。そして、7月からこの「ムチュカリッツァ」が正式にメニューに加わったとご連絡をいただきました。こうして「My Serbia」のメンバーとして、ほんの少しでもメニューづくりに貢献できたことを、とても光栄に、そして嬉しく思っています。レストランのオーナーとチームの皆さんは、毎日多くのお客様を迎えるために、絶え間なく努力をされています。その献身的な姿勢に心から拍手を送りたいと思います。

大阪・関西万博は10月13日まで開催されています。セルビア館のナショナルデーは9月15日で、当日はメインステージにて文化プログラムが予定されています。ぜひ皆さんに足を運んでいただき、展示を楽しみ、セルビアの特別な料理とお酒を味わっていただきたいです。



セルビア共和国パビリオン(公式サイト)
場所:大阪万博 コネクティングゾーン C19-01(西ゲート付近)
【文/ティヤナ】セルビアの首都ベオグラード生まれ。ベオグラード大学日本語学科で日本語を学ぶ。2001年に来日。2002年よりユーゴスラヴィア連邦共和国(当時)大使館で秘書として働き始め、現在に至る。「えいごであそぼ」「ニュース シブ5時」「ワタシが日本に住む理由」「ヒルナンデス」雑誌『dancyu』『婦人公論』などメディアに多数出演。ニキズキッチン英語料理教室でも活躍中。一児のママ。