My Serbia(マイセルビア)

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ワーニャさんの来日と展覧会「娯楽と戦争の間」展

【文/古賀 亜希子】

セルビアから久しぶりにお客様がいらっしゃいました。2017年ヴェネチアビエンナーレで、セルビア代表として参加したアーティスト、ワーニャさんです(本名ヴラディスラヴ・シュチェパノヴィッチ)。昨年の東京オリンピックの時期に合わせて来日する予定でしたが、延期となり、今回ようやく来日が叶いました。

ワーニャさん

メッセージ性が高く、パワフルなワーニャさんの作品をぜひ今みてもらいたいです。作品のアグレッシブな印象とは違って優しい人柄も魅力。15日まで東京に滞在しています。タイミングが合えば、作品について本人から直接お話を聞くことができます。世界で活躍するアーティストと作品に直に触れる貴重な機会です。どうぞお出かけください。

娯楽と戦争の間」と名付けられた一連の絵画は、主にロシアのウクライナ侵攻と第三次世界大戦への導入にますます似ている世界的緊張の前に完成されたため、一種の予言的絵画と言えます。一方ではアプリ、ビデオゲーム、人工知能が社会を形成し、子供たちを教育している一方で、他方ではそれが徐々に耐え難いアナログで物理的な現実となりつつあります。この状態は、2つの極端なものが1つのポイントに融合することに影響し、娯楽と戦争というセンセーショナルなもので私たちの時代を形成しているのです。まさに、この一連の絵画が提示しているのは、こうした問題なのです。 制作しているとき、理性的というより直感的に、絵の中のモチーフを押し付けるような不安を感じていました。Apps Store」という絵から始まり、「Patriot2」という絵で終わります。Apps Store」では、若い戦士の少年が現実から逃避するために仮想現実を見つけ、戦時中に出現した「Patriot 2」では、世界貿易センターへの攻撃、チョルノブイリ原発事故後の建物の粉々な跡、そしてウクライナ戦争の飛行機やプロパガンダをコラージュした断片を描いているのです。

ワーニャ
展覧会概要

ワーニャ「Between Entertainment and War」

会期:2022年6月3日(金) 〜 26日(日) ※会期中の金土日のみ開廊

時間:13:00 〜 19:00(最終日のみ17:00まで)

会場:東京都新宿区四谷3-12 サワノボリビル9階

展覧会と作品についての詳細はこちらから


【文/古賀 亜希子】写真家。成城大学芸術学科を卒業後、東京綜合写真専門学校にて写真を学ぶ。国内外で作品を発表。2009年、ベオグラードでの個展開催をきっかけにセルビアが大好きになり、セルビアと日本の文化交流展覧会を多数企画。イェレナ・イェレミッチ著『イェレナと学ぶセルビア料理』の企画・翻訳に携わるなど、 最近は専らセルビア料理を研究中!

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