西欧と東欧の狭間に位置するセルビアは双方から影響を受けて独自の修道院文化を築いてきました。日本ではほとんど知られていないセルビアの修道院について、現地に留学した経験をもつ美術史家の嶋田紗千さんが実際に訪れて、見て聞いて感じたことを綴ります。
【第6回】アリリェの聖アヒリオス聖堂
Crkva svetog Ahilija u Arilju
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聖アヒリオス聖堂は、セルビアの南西部のズラティボル地区にあるラズベリーの産地アリリェにあります。この聖堂はジュルジェヴィ・ストゥポヴィ修道院の礼拝堂を建立したドラグティン王の寄付で建てられました。
【第5回】ミレシェヴァ修道院
Manastir Mileševa
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長らくお休みしていた「セルビア修道院めぐり」(2021年3月から7月My Serbia連載)ですが、ぼちぼち再開します。今回はセルビア三大修道院の一つミレシェヴァ修道院についてです。
【第4回】グラダツ修道院
Manastir Gradac
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修道院めぐりは、一人で高速バスに乗って現地まで行くこともありますが、知り合いの美術史家に修道院ツアーを組んでもらうこともあります。調査したい聖堂や修道院を伝え、おすすめがあれば行先に加え、旅程を決めてから出かけます。
【第3回】ソポチャニ修道院
Manastir Sopoćani
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前回紹介したジュルジェヴィ・ストゥポヴィ修道院があるノヴィ・パザル(Novi Pazar)にはもう一つ有名なソポチャニ修道院があります。迎えに来てくれた修復家の親方がちょうど作業をしていたので、連れて行ってもらいました。
【第2回】ジュルジェヴィ・ストゥポヴィ修道院
Manastir Đurđevi stupovi
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前回ヒッチハイクをしたことを書きましたが、その後、様々な人々と出会い、交流し、友人という裾野は広がりました。近年は友人やそのまた友人が私の修道院めぐりを助けてくれます。今回は、一つの出会いがきっかけで、あるプロジェクトが実現することになったお話を最後にいたします。
【第1回】ストゥデニツァ修道院
Manastir Studenica
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修道院へ行ったことはありますか?観光ツアーでセルビアへ旅行された方は一カ所くらい訪れたことがあるのではないでしょうか。私は美術が好きで色んな所の美術館や歴史的建造物をめぐるうちに、セルビアの修道院美術のとりこになりました。
【プロフィール/嶋田紗千(Sachi Shimada)】美術史家。岡山大学大学院在学中にベオグラード大学哲学部美術史学科へ3年間留学。帰国後、群馬県立近代美術館、世田谷美術館などで学芸員を務め、現在、実践女子大学非常勤講師、セルビア科学芸術アカデミー外国人共同研究員。専門は東欧美術史、特にセルビア中世美術史。『中欧・東欧文化事典』丸善出版に執筆。セルビアの文化遺産の保護活動(壁画の保存修復プロジェクト)に従事する。