【文/古賀 亜希子】
セルビア在住の美術史家・山崎佳夏子さんと一緒に、友人のイレーナ・クズマノヴィッチ(Irena Kuzmanović)のアトリエを訪れました。
イレーナは、以前My Serbiaでご紹介したことがあります。

イレーナのアトリエは、ノヴィ・ベオグラード地区にあり、ここで制作をしたり、子供たちに絵を教えるワークショップを開いたりしています。


2月の展覧会で展示する作品を、一足先に見せてくれました。

そして先日、無事に展覧会が開催されたとイレーナから報告がありました。
「Reflection」と題されたこのシリーズは、自己を見つめることをテーマにしています。展示は、鏡や水を使ったインスタレーション作品となり、
イレーナが新たな表現を見つけて、楽しんでいるように感じました。

アトリエには和紙を使った試作もありました。ふわっとした和紙に、イレーナの水彩画は、とても合っているように感じましたが、まだまだアクリル絵の具と和紙の感覚がつかめず、試行錯誤を繰り返しているのだそうです。
和紙は、日本とセルビアを行き来するミュージシャンの友人に仕入れてもらっているそうです。どんな時も、友人たちで協力し合うのが、セルビアの素敵なところ!

さらに、イレーナが出してきたのは、水彩絵の具。アメリカ、フランス、日本など海外のものをそれぞれの用途に合わせて使用しているのだそうです。

最後に質問。インスピレーションは、どこから?
「家族のアルバム(写真)よ!」
といって、イレーナが見せてくれたのは、箱いっぱいに入った家族の大切なアルバムでした。家族で築き上げてきた思い出のシーンが、絵画のモチーフになって、新たな世界を生み出します。

宝物を見せてくれて、ありがとう。
【プロフィール/イレーナ・クズマノヴィッチ(Irena Kuzmanović)】1989年ザグレブ生まれ。2012年ベオグラード大学芸術学部絵画科を卒業。2015年同科修士課程修了。セルビア国内外で展覧会多数。
【文/古賀 亜希子】My Serbia運営者。Tiki’s kitchen撮影、制作。成城大学文芸学部芸術学科を卒業後、東京綜合写真専門学校にて写真を学ぶ。2009年、ベオグラードでの個展開催をきっかけにセルビアが大好きになり、セルビアと日本の文化交流展覧会の企画をはじめ、セルビアの文化を広く日本に紹介している。近年では、セルビアの写真や映像を言葉と共に物語にして発表している。