【文/あい❤️】
初めまして。あい❤️と申します。私はセルビアに魅了されて2023年に移住し、日本で看護師として27年間働いていた経験を活かして現在ベオグラードのとあるクリニックで働いています。このクリニックは本院が大阪にあり、3年前セルビアに開院しました。今からちょうど1年前、私は運命的な出会いを経てここで働かせてもらうことになったのです。その経緯はまた別の号で書く事にして、初回はこのクリニックについて、またクリニックで行なっている足湯についてお話ししようと思います。
S A I S E Iクリニックを知っていますか?
S A I S E Iクリニックはセルビア、ベオグラードに2022年に開院されました。場所はVoždovacの住宅街にあり4階建ての素敵な建物です。1階は理学療法士の施術ルームとトレ―ニングジム、2階は受付と待合室、3階は診察室と高圧酸素カプセルルーム、4階はヒーリングルームで構成されています。出来たばかりでとても清潔感があり、内装は日本の和をモチーフにデザインされています。その空間は病院の暗いイメージを思わせない、来る人にリラックスして施術や治療を受けて欲しいという先生の思いが込められています。

クリニックのコンセプトは名前に由来するS A I S E I(再生)医療を提供することです。
日本語での再生とは、復活、修復、やり直す、の意味があり、再生医療とは、失われた細胞や機能が 蘇る過程や、元の状態へ回復することを意味します。
人体は数え切れない数の細胞でできており、その細胞は、体の構造を作る、食物から栄養素を取り込む、取り込んだ栄養素をエネルギーに交換する、といった様々な役割を担っています。細胞のおかげで人は健康な体を維持できているのです。それは免疫力に深く関係しています。免疫力とは一体何でしょう?
風邪をひいて熱が出る現象はよく知られている免疫力の働きです。細菌やウィルスが体内に侵入すると、細胞がそれらを外部者と認識し排除しようとします。その時体温を上げて免疫細胞を活性化させ細菌やウィルスへの攻撃力を上げているのです。
しかし、何らかの原因や障害により細胞の機能が落ちたり、失われたりする事があります。
体の不調や様々な病気の症状は、こうした免疫細胞の活動が低下する事により引き起こされます。
昨今、世界中でコロナウィルスによる免疫力の低下があらゆる人々に見受けられました。
免疫医学の現場では原疾患に対する治療はもちろんのこと、元々人々が持っている免疫力を上げ維持することが、体調不良や怪我、病気の回復につながると言われてきています。
S A I S E Iクリニックでは、一度低下した細胞の機能や働きを修復、復活させ、また再び低下しないように様々な治療を組み合わせることで免疫力を上げることを推奨しています。
このクリニックは、セルビアでは珍しい免疫療法を受けられる場所なのです。
S A I S E Iクリニックでできる治療
・免疫療法 (食事指導)
・高濃度ビタミン点滴
・高圧酸素カプセル
・整体、理学療法
・精神、心理療法
・脳神経学療法
・足湯療法

足湯療法について
べオフラードも5月になると、公園や通りには白やピンクの花が見られるようになり、晴れていると日中はポカポカした陽気が多くなってきました。しかし、まだ気温の変化が激しく風邪をひきやすい時期でもあります。風邪を引きにくい丈夫な体を作るには免疫力を高める必要があります。では、どうしたら免疫力は高まるのでしょう?
免疫力を高めるために必要なこと4つ
①適度に体を動かす事
②体を温める事
③ストレスから解放されリラックスする事
④バランスの取れた食事を心がけ腸内細菌を整える事
今日はこの中から②体を温める事についてお話しします。
日本は長寿の国だとよく言われます。平均寿命から見ると世界ランク1位2位の位置にいます。気候や文化、経済、食習慣の違いによると言われていますが、私はお風呂文化が関係していると考えます。日本人は毎日湯船に浸かります。また日本各地には天然温泉が沢山あり、誰でも容易に利用する事できます。
セルビアにもBanja(バーニャ:スパ)と言われる温泉があり、ミネラル豊富な水を用いて薬効果のある入浴ができます。7つの鉱泉があるVrnjačka Banjaは天然ミネラルウォーターが湧き出ており治療泉として糖尿病や胃腸炎、感染症の治療に使われています。またそのミネラルウォーターを飲むこと、温水に浸かること、吸入すること、臓器や傷口にスプレーして洗うこと、などにも使われています。日本と違う点は、ほとんどのBanjaが療養施設になっていて医師、看護師、理学療法士などの医療スタッフが働いています。例えば整形外科の手術後に医者からBanjaでのリハビリ治療を処方されます。なので、処方箋がないと利用できないBanjaもあります。実際、クリニックで足湯をしていた患者様で、足を骨折し手術後リハビリを経てその後Banjaで数ヶ月療養していました。国が変わっても温泉が体に良いのは一目瞭然ですが、日常的に利用するのは難しそうですね。
世界的に見ても家庭に湯船(バスタブ)があり湯を張って浸かる文化は日本だけのような気がします。ではなぜ体を温めることが良いのでしょうか? 体が温まると、血管が広がり全身の血流が良くなります。それにより、筋肉や内臓の隅々まで酸素や栄養素が行き渡り、老廃物の排泄、細胞の活性化、疲労回復、病気の予防につながります。これは細胞の再生、修復、つまり免疫力を高めることでもあるのです。お風呂文化がないセルビアで、免疫力を高める方法の一つとして私は足湯を推奨しています。足湯は入浴と同じくらい体を温め、様々な症状に効果があります。S A I S E Iクリニックでは足湯を治療として行なっています。自宅でも簡単にできますが、クリニックで行う足湯は、炭酸ガスが含まれるタブレットを入れ、より血流の促進、保温、殺菌効果などが期待されます。実際、他人の前で裸足になる事に抵抗感を持つセルビア人が多く受容されにくいのが現状ですが、セルビアに住む様々な人の健康を維持する為に足湯が貢献できたらと思っています。(足湯の効能や詳細は下記のInstagramをご参照下さい)
クリニックで働いていると、健康や医療についての価値観や意識の違いがあり日々発見、驚きの連続です。医療はプライベートな部分が多くお互いの信用を築くことはとても難しいです。まして言葉や価値観が違うと尚更です。しかし、人体の構造はどの民族も同じであり、健康になりたい気持ちも人間誰もが持っている欲求です。セルビアと日本との違いは沢山ありますが、郷に入れば郷に従えと言うように、私は先ずその国の文化や習慣を知り受け入れることが大前提であると考えます。更に人々の気持ちに寄り添い看護していく中で日本の足湯にも興味を持ち、効果を理解してくれるようになると信じて日々孤軍奮闘しています。(👏拍手)
今回は初回なので真面目に書きすぎていますが、実際の私はかなりいい加減な人間です(笑)次回はもう少し砕けながら(笑)他の治療やセルビアの健康法も紹介していこうと思っています。 ご購読ありがとうございました。
2025年5月 あい❤️









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Dario
MIYABI SERBIA
【文/あい❤️】静岡県富士市看護専門学校卒業、正看護師免許、東京都榊原記念病院、中野総合病院、沖縄県徳洲会新都心クリニックにて、循環器科、小児科、総合内科、救急科、透析科等27年の勤務経歴。2人の子供がモンテネグロにサッカー留学したのをきっかけにセルビアに移住。看護師の視点から見るセルビアをSNSで発信している。また、ベオグラードにあるSAISEIクリニックで働きながら足湯をフットケアサービスとして展開中。