【文/小柳津 千早】
セルビアで売られているほうれん草は、葉っぱだけで茎がありません。収穫時に根からまるごと引き抜かずに、葉を一枚一枚引きちぎるからです。
セルビアで主に栽培されるのは「ブルームズデール」(Bloomsdale)、「マタドール」(Matador)という品種。「ブルームズデール」は縮みホウレンソウの一種で、耐寒性に優れ、氷点下の気温にも耐えることができます。葉は濃い緑色で、かなりの肉厚です。甘味が強く、食べ応えがあります。


調理方法は、パイの材料として使ったり、茹でたものを細かく切り、にんにくと牛乳でソテーして、料理の付け合わせとして食べたりします。

青空市場に行くと「何キロ必要?」と聞かれます。日本人は量り売りに慣れていないので、検討がつきません。「とりあえず1キロ」と言ってみてください。スーパーの袋にはみ出るほど詰められて、しかも2つ渡されます。

冬のセルビアで食べられる貴重な青野菜。春先まで旬の味を楽しめます。
【文/小柳津 千早】大学卒業後、セルビア語を学ぶためベオグラードに留学。そこで日本語学科に通う学生と出会い、無職の身でプロポーズをして見事成功。現地で約350人の前で結婚式を挙げる。帰国後、スポーツメディア関連会社に3年半、在日セルビア共和国大使館のスタッフとして10年間勤務。2021年10月中旬からセルビアに移住。YouTubeチャンネル「セルビア暮らしのオヤ」で現地の自然、文化を配信中。