【文/古賀 亜希子】
ドラガン・ミレンコヴィッチさんは、セルビアと日本の間で、ジャーナリストとして長い間活躍されていました。2021年、My Serbiaの全面サポートのもと、セルビア大使館監修によるレトルト食品「ムチュカリッツァ(豚肉のパプリカ煮)」(松原食品株式会社)が日本で発売されたとき、誰よりも喜んでくださったのがドラガンさんであり、セルビアのメディアを通じて積極的に取り上げてくださいました。
そんなドラガンさんから、「ぜひ本物のムチュカリッツァを食べてもらいたい」という嬉しいご招待をいただき、出かけました。
材料(※分量は、その日の気まぐれで)
鶏肉、赤パプリカ、緑の辛いパプリカ、玉ねぎ、トマト、生ハム、パセリ、塩胡椒、ザチンC(セルビアの乾燥野菜調味料)
本来、ムチュカリッツァには豚肉を使います。セルビアの村や小さな町の家庭では、豚を飼育していたため、豚肉を使用し、野菜と一緒にじっくり煮込むことで豚肉を柔らかくして食べるということがこの料理の目的だったのだとか。実際に、ドラガンさんの田舎でも子供の頃に豚肉を数匹飼育していたのだそうです。現在のムチュカリッツァは、豚肉と牛肉をミックスして作られることが多いようですが、ドラガンさんは今回、私が旅で疲れているということもあり、柔らかく消化にも良い鶏肉を選んでくださいました。鶏肉も野菜も、朝市場で購入したばかりの新鮮なものでした。
ここで、ドラガンさん流、ムチュカリッツァの作り方をご紹介します。








ドラガンさんのムチュカリッツァは、ピリッとした辛さがありつつも、優しい味でとてもおいしかったです。辛味のあるパプリカを使った点も、本場ならではの味です。
そして、外国から来た私に、本物のセルビア料理を知ってもらいたいという気持ちが、料理をさらに美味しくしていることを感じました。セルビアの温かいおもてなしに、心も身体も温かくなりました。ドラガンさん、素敵な一日をありがとうございました。

【文/古賀 亜希子】My Serbia運営者。Tiki’s kitchen撮影、制作。成城大学文芸学部芸術学科を卒業後、東京綜合写真専門学校にて写真を学ぶ。2009年、ベオグラードでの個展開催をきっかけにセルビアが大好きになり、セルビアと日本の文化交流展覧会の企画をはじめ、セルビアの文化を広く日本に紹介している。近年では、セルビアの写真や映像を言葉と共に物語にして発表している。