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春のマスタケ【北セルビアからの便り・第9回】

【文/むぎ

今回は「森のキノコ」がテーマです。

春になると、近くの森で柳の木に寄生するキノコが育つので旬の時期を楽しみに待っていました。

ドナウ川やティサ川沿いでマスタケがごく短期間、収穫できます。

キノコの種類に詳しい人に収穫してもらうか、大きな町の市場で見つけるのがベストです。

収穫が遅すぎると1日で味が落ちてしまうので、一昨年と昨年は機会を逃してしまいました。

大変幸運なことに、今年はたくさんのキノコを得て,喜びもひとしお、大満足です。

マスタケを水で洗って木の枝などを取り除き、大まかに切ってから水を張った容器に浸けます。

キノコの傘の輪郭は水分が多くてナメコの様に柔らかいので、一口サイズに切って熱湯を通して味付けすれば、淡いピンク色の絹ごし豆腐のように滑らかな食感が楽しめます。

好みで、お醤油、リンゴ酢、ダシの素,西洋わさびを少量ずつ合わせ、タレにするか、熱いお湯を少し足してお浸しにするのもオススメです。

少し大きめの短冊形に切って、2〜3分茹で、味噌田楽の風味でいただくのも良いでしょう。

少し固めの部分は、酢豚(酢キノコ)にしたり、フライなど、いろいろなお料理に使えます。

赤貝のお刺身風に

ホワイトソースとの相性も抜群です。このパターンは好評でしたので、ご紹介させていただきます。

一口サイズ(厚さ2ミリ)のマスタケ、皮付きのナスの線切り,輪切りの長ネギ、コールラビの葉の線切りをお鍋に入れ、たっぷりの牛乳で中火で煮詰めます。

味付けは「ベゲタ」(Vegeta)という野菜コンソメを使いますが、オレガノやバジル,またはディルなどを加えても良いでしょう。

よく火が通ったら弱火にしてヤギのチーズやギリシャヨーグルトなどを入れ、洗って短く切ったハコベも加え、よくかき混ぜて出来上がり。

夕方に食べてもお腹がもたれないところが気に入っています。

キノコ類は一度しか火を通せないので温め直しはききません。余ったら冷蔵庫に入れて翌日、室温に戻してグリーンサラダや茹でたブロッコリー、生の薄切りのコールラビなどと合わせても美味しいです。

出来たてのホヤホヤは焼きたてのパンと、またはパスタソースとして、リゾットにも使えます。

ハコベとマスタケ(中は黄色ですが外側は薄赤色、外側も黄色い方が水分が多くて瑞々しいです)

【文/むぎ】1997年よりセルビア在住。1970年、大阪万博の記憶で、唯一覚えているのがユーゴスラビア館に展示されていた巨大なバウムクーヘンのようなボスニア産の木。

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