My Serbia(マイセルビア)

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ゆるセルビア 7 – なんもないけど何かある、ノヴィサド郊外散策

【文/yumen(ゆめん)

全国、片手で数えられるくらいは居てほしい ゆるセルビアファンの皆様、お久しぶりです。

セルビア…というかヨーロッパは3月末から夏時間になり、日本との時差が 8→7時間に短縮されました。

今年は結構しっかり雪が降る気温低めの冬でしたが、4月に入り、緑が一気に芽吹いてとてもきれいな春が訪れています。というわけで今回は、私の住むセルビア第二の都市、ノヴィ・サド近郊の観光スポットをいくつか紹介していきます。

日本みたいに「色々見れる!!ご当地グルメある!」ってことは全くないんですが、ゆったりした時間が流れるセルビアの空気を感じてもらえたら嬉しいです。

(ああ、日本のご当地グルメ文化が恋しい…どこいっても食べ物がほぼ一緒(肉)なのよ…)

先日、突然思い立って行った郊外の街、Sremski Karlovci(スレムスキ・カルロヴチ)。

ハンガリー帝国時代のきれいな建物が立ち並ぶ、散歩にちょうど良いエリアです。

ただ着いたのが日曜17時すぎでどこも開いておらず、右側のローカルアイス屋さんでアイス食べて帰りました。すぐ近くを流れるドナウ川沿いにレストランがあるので、そちらに行くのもおすすめ。

ちょっと先まで歩くと大きな公園もあるよ。

このエリアには個人ワイナリーがいっぱいあって、他では手に入らないおいしいワインを安価で買う事が出来ます。もちろんモノによるけど1,000~3,000ディナールほどで、ペットボトルに入った家庭用は 2L 1000ディナールなんてことも。

私は全然詳しくないですが、友達とたまたま入った Došen Winary がとってもおいしかった。

ボトル購入はもちろん、ご自宅兼販売所の中の素敵なお庭でグラスワインを頂くこともできます。

家族経営だからか、市内で売ってるのを見たことがないレアワイン。

スポメニク(ユーゴスラビア時代に大量に作られたモニュメント)

第二次大戦中、対独抗戦で犠牲になったパルチザン兵士を顕彰したもの。

特に何したわけでもないけど、吸い込まれるような春の空気が気持ちよい。

なんかある

ミニカー集合!

こちらはRakovac(ラコバツ)というエリアにある チトーのスポメニク。

目の前は広場になってて、友人のわんちゃんが喜んで走り回ってくれました。

ラコバツ修道院。(守護聖人:聖コスマス&ダミアン Saints Cosmas and Damian)

ノビサド近くにあるFruška Gora(フルシュカゴーラ)という高原エリアには、修道院が沢山あります。

15~18世紀、オスマン帝国支配下で北部に追いやられたキリスト教徒達が建てたものだそうです。どこも歴史に翻弄され、現代まで何度も破壊→再建→放置→再建された場所が多いそうな。

Rakovac修道院からすぐの Fig Restaurant。

Googleマップでたまたま見つけて入ったところ、かなりおシャンティでめっちゃ美味しかったです。安めメニュー+ワインで1人5000円くらいですが、このクオリティなら東京で倍くらいするとおもう。

予約しなかったからか、料理の提供に超時間がかかりました。余裕を持って行ってみてね。

こちらはVrdnik(ヴルドニク)修道院。

修道院はだいたい自給自足で、手作りのイコンアイテム(聖人キーホルダーやブレスレット)、はちみつやワイン、蒸留酒ラキヤ、石鹸などが売ってたりします。私はちょっと喉がイガイガしてたので、こちらでプロポリス喉スプレー(300ディナール)を購入。

マウスウォッシュ形ミントが超苦手な私は、その辛さに泣きながらスプレーしまくりました。

きれいなお庭。

ちなみに左奥にある屋根付きベンチスペースは日本語だと東屋(あずまや)、英語だとGazebo(ガジーボ)。
…どっちもしっくりこない。

あいにく中の写真は撮れませんが、なんとこのVrdnik修道院、かの有名なラザール侯の聖遺骨(鎖骨)がおさめられております!

ラザールって誰?

…って思った方、大丈夫!私もセルビア来てから知ったから!

一昨年、クルシェバツのラザリツァ教会でもうかたっぽの鎖骨にお参りできたので、偶然にも右と左をコンプリートしたことになります。ありがたや~!

Vrdnikはスパ+プールが沢山あるエリアで、夏は避暑地?的な賑わいをみせます。

このローカルレストランZeme、揚げピザみたいな超こってりピザがおいしいのでぜひ。

中は落ち着いた感じ

窓からの景色は…

「ガッツリ拡張中!!」

”見栄え”とかね…そういうのは気にしないのがセルビア流。

こちらはVrdnik修道院から車で15分ほどの Jazak(ヤザック)修道院。
この教会に入る時、女性はスカートでなくてはなりません。入口にエプロンみたいな巻きスカートが置いてあるので借りましょう。

★日本の寛容な寺社仏閣に慣れてる私たちですが、修道院/教会は露出の多い服・帽子NG!男性の短パン、サンダルもダメです。(観光地だと見逃されることもあるけど…)

「ここはSrem(スレム)地区の23の東方正教会修道院のひとつです。北側に、聖母の奉献*を守護とした旧修道院跡があります。」

Presentation = 奉献ってなんぞや?と思って調べたら、AIさんが教えてくれました。

記念日: 毎年11月21日に祝われます。

起源: 6世紀にエルサレムに「新マリア教会」が献堂されたこと(543年)に由来し、伝承は外典の『ヤコブの原福音書』などに記述されています。

意味合い: 幼いマリアが神の家族に属し、完全に神に身をゆだねたこと、神の清い神殿として準備されたことを記念します。

神学的意義: マリアがその生涯の初期から神に奉献されていたことを示し、無原罪の御心の信仰とも関連付けられます。

セルビアの修道院に関しては、My Serbiaの連載 セルビア修道院めぐりシリーズ(嶋田 紗千さん)がプロ視点で超詳しいので是非!私はド素人でして、ちょっとづつ勉強中でございます。

ところ変わって、こちらはノヴィサドから30分ほど西にある Kovilj(コヴィリ)修道院。

入り口が美しい&かなり敷地が大きい。

こちらが教会。

いろんな説があるのですが、この修道院が最初にできたのは13世紀、聖大天使ミカエルとガブリエルに捧げて作られたとされています。

歴史上何度も破壊されたり占拠されたり土地を接収され、1980年から90年まで誰も住んでいなかったそうです。

ここはビールやラキヤが有名で、ノヴィ・サドの酒屋やスーパーでもよく売ってます。ラベルのデザインがかわいいのでお土産にもよさそう。

Koviljはバルカン地域で一番のコウノトリ営巣地だそうで、電柱ひとつひとつに巨大な巣があります。
この距離で見てもでけえ。

なんかヒモ出てるけど大丈夫なんか…

しかしデカい。春に子育てをして、夏には独り立ちするらしい。

最後はRadnikの先にあるBeočin(ベオチン)エリア。

特に何があるってわけではないけど、小さな修道院と、私が大好きなSkela(フェリーボート)があります!

手前のわんこは、うちのノヴィサドの甥っ子。

おそらく地元民しか知らないSkelaサービス。

この漁村みたいな謎の川辺に車を停めて待っていると、「これは…大丈夫なのか…?」って感じのボロボロのモーター付きフェリー…?いかだ…?がドナウ川を渡ってきます。

Google Mapはここを見てみてね

車が10台くらい乗れるサイズ。

ドナウ川は意外と大きいので、このフェリーで反対側のFutog(フトグ)に渡ります。セルビアはドナウ川を横断する橋が全然足りないので、山側から街側(ノヴィサド)に行くための貴重な交通手段。

料金は車1台につき500ディナール。ちょっとしたアトラクション感覚で楽しい。普段は60分間隔ですが、車が多くて乗り切れなかった時はすぐに折り返してきてくれます。(運航は日中のみ。)

フェリー乗り場の近くには素敵なレストランが!

こちらはBeočin側の Restoran Karaš(カラシュ)=ヨーロッパブナ 。川沿いのレストランはたいていドナウ川の魚料理が食べられます。

Restoran Plavi Dunav (レストラン プラヴィ ドゥナヴ)

ドナウ川をはさんでノヴィサドに近いFutogも、フェリー乗り場のすぐ横にレストランがあります。入る時に確認すれば、コーヒーだけでもオッケー。

こうして水に浮かんでいるお店の事を Splav(スプラヴ)と言うのですが、川がある町ならだいたいあるので行ってみてね。

こういうローカル用語って住んでないとなかなか学べないので面白い。

日本語でいう「牛丼屋」みたいな?

いやダメだ…全然違う…

Plavi Dunav = 青いドナウ

『いやー青いなぁ、やっぱりすっごく青い!本当にめっちゃ青い!青いとしか言いようがない!』

と叫びながらヨーロッパの一級河川を楽しみましょう。

ここは野良犬と野良猫が住みついていて、猫ちゃんの方は気づくとテーブルの下に座ってたりします。

わんちゃんかわいくてひとなつっこかったけどオニ臭かった!

そんなこんなで今回は、残念ながら車がないとかなり厳しいノヴィサド周辺スポットを紹介してみました。

最後にみなさんがずっと待っていたであろう「いつものゆるセルビア」写真を貼って終わりにしたいと思います。

ノヴィサドで一番のメインストリート!

なのに!!

ガツガツ大工事だぜ!!

…ありがとうございました。


【文/yumen(ゆめん)】セルビア在住アラフォー。ヨーロッパに住む夢が捨てきれず、2022年7月に仕事をやめてスーツケース1つで日本脱出。現在はオンライン英会話講師や翻訳業をしながらギリギリサバイブしています。20代は売れないバンドマンでした。

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