【文/あい❤️】
セルビアは夏休み期間中(8月に執筆)ほとんどの人が長いOdmar(休暇)を取って海や山や国外に出かける。こんなに違うのかというくらいバスはガラガラ。夏休み期間は6月〜9月で、海のあるモンテネグロやクロアチア、ギリシャに行くらしい。また、海辺のレストランに1、2ヶ月の短期アルバイトに行く人もいると聞いた。
セルビアは本当に立地が良い。北はハンガリー、オーストリア、南はギリシャ、西はイタリアまで、東はルーマニア、ブルガリアに、飛行機なら数時間、バスや車でも行ける。
夏の間に太陽の光をたくさん浴びることへの感覚が日焼けを嫌う日本人とは違う気がする。そこで、今回は日光浴とビタミンの関係や体に必要なビタミンについて書いてみた。
ビタミンは体に必要な栄養素で食事から摂れる。大きく分けると、脂溶性(油にとける)ビタミンA、D、E、Kと、水溶性(水に溶ける)ビタミンB群、Cである。それぞれに役割と体に与える影響が異なる。その中でも良く聞くビタミンCとあまり知られていないビタミンDについて話してみよう。
ビタミンCの話
果物に多く含まれるCは女性なら皮膚を綺麗にする効果や抗酸化作用で若返り効果がある事を知っているだろう。では具体的にどんな働きを持っているのか?
<役割>
① コラーゲンの生成
コラーゲンとは皮膚や血管、骨、歯などの組織を構成するタンパク質で、コラーゲンが減っていくと皮膚のシワやたるみ、骨がもろくなり、傷が治りにくくなる。要は加齢による老化。そのコラーゲンの合成と生成にビタミンCが必須なのである。
② 抗酸化作用
ビタミンCは抗酸化物質で細胞の酸化、つまり、サビを防ぐ作用がある。私は人の体は消耗品だと思っている。使えば使うほど(=歳を取るほど)錆びて衰えていく(老化)。ビタミンCは老化を予防する効果もあるのだ。
③ 免疫力を上げる
前回の章で免疫力の話をしたが、血液内の免疫細胞(白血球)の中にビタミンCは多く存在する。風邪や感染症の時には一緒に戦ってくれる強い味方なのである。
④ 鉄の吸収を促す
食品に含まれる鉄は体内で吸収されにくい形なので、ビタミンCが吸収されやすい形に変えてくれる。
こんなに体を綺麗にしてくれるなら毎日取りたい!何に多いの?レモンやいちご?と考えるのが今まで。しかしこの栄養素はセルビアにあるVery popularなあの野菜にダントツ1位で含まれているのだ!
それは、、、。 赤パプリカーーーーー❤️(170mg〜250mg) レモンやいちごの3〜4倍!!
パプリカの肉詰、パプリカのピクルス、Ajvar(アイバル:ローストパプリカのペースト、最強や〜ん。
更に鉄と一緒に取ることで貧血予防にもなる。それ知って即効スーパーの「MAXI」へGo。
鶏肝肉と赤パプリカを買ってニンニクと生姜で炒めてみた。(めっちゃうまい)
更に、パセリやキャベツにも多く含まれているのだ。セルビアの伝統家庭料理に必ず出てくるKiseli kupus(キセリクプス:塩漬けキャベツ)やSarma(サルマ:キャベツの煮込み)もビタミンCを取る最強の料理なのだ。野菜は年中あるが、どれも秋から冬が旬であるのはきっと、夏に日焼けした皮膚のリカバリーにも一役かっているはず。昔の人の知恵は本当にすごい。夏の市場はベリー類も豊富にある。ブラックベリーやラズベリー、クランベリー、プラムなどにもCは沢山いる。最近思うに、セルビアの食材はビタミンCが多いものばかり。




そして、私が推奨するもうひとつのビタミンC摂取方法が、私が務めるSAISEIクリニックでできる高濃度ビタミン点滴である。日本では美容クリニックなどで主流だが、SAISEIクリニックでは免疫療法として提供している。癌や他の病気の治療により落ちた免疫力を上げる目的で行うこともある。また、健康な人が免疫力の維持や、アンチエイジング、老化予防、肌の若返りを目的として行うこともある。基本、ビタミンCは食品から取り入れるのだが、体内に十分吸収されないこともあるので、直接血管から取り入れるビタミン点滴は効率的である。
SAISEIクリニックでは点滴をする際、必ず生活習慣や食事指導も行う。それは何よりも本人の習慣が健康に影響することを十分認識しているからだ。また、過剰に摂リすぎないようにその人の体調に合わせて行う。
私も月1回は肌の改善と老化予防に高気圧酸素療法と併用して受けている。免疫力を上げるためでもあり、頑張っている(自画自賛は大事😄)自分へのご褒美でもある。



ビタミンDの話
あまり知られていないビタミンDも健康維持にとても重要な栄養素で免疫作用とも深い関係がある。
<役割>
① 骨、カルシウムを代謝する
腸内でカルシウムの吸収を増やし、骨の元となるカルシウムを沈着を促進させる
② 筋力、バランス力の維持
筋肉細胞に作用し筋肉が硬くなるのを防ぐ働きがある。筋肉の収縮にはカルシウムが関係しており、そのカルシウムの量を調整する働きがある。
③ 免疫作用を調整する
免疫細胞の中にはビタミンDを受け入れる器(ビタミンD受容体:VDR)のようなものがある。そこにビタミンDが結合することで免疫細胞達にブレーキとアクセルをかけ丁度良い具合に調整する。また、炎症を抑える免疫細胞を増やす働きもある。
ビタミンDも体に不可欠な栄養素だ。さて、Dを取り入れる方法として、まず出てくるのが日光浴。紫外線に当たることで、皮膚内でビタミンDが作られる。ここでやっと文頭の夏休みの話へ。セルビアは、日に焼けて小麦色の肌になることが日本人よりも好まれているのだ。美白に憧れる私たちは、日焼け止めはもちろん、日傘やアームカバーで最小限皮膚を出さない。それに比べてセルビアでは湖や川でも水着で寝そべって全身黒く焼く。小麦色の肌は健康的でセクシーなのだ。街中でも日傘を指している人を見たことがない。秋や冬は日照時間が短く太陽に当たることが少ないからか、夏の太陽を思う存分、これでもかというくらい浴びている気がする。文化の違い、価値観の違いが面白い。多分、夏の間に日光浴でビタミンDを蓄えておこうという人もいるはずだ。
食事でも摂れるが魚介類に多く含まれているのでセルビアでは日光に当たる方が簡単だ。キノコ類にも多い。ハイキングで良く行くセルビアの山にはキノコが沢山生えている。山のレストランには必ずと言っていいほどキノコスープがある。それがミルク味だと最強。
ビタミンDと乳製品のカルシウムを一緒に摂ることで、骨や筋肉への効果が最大になる。先代人達はそれを知っていたのかと思う。そして、またまた「MAXI」へGo! 牛乳を買い、家でキノコスープを作ってみた。味付けはもちろんだしの素❤️ 牛乳のカルシウムと一緒にキノコと魚のダシから取れる完全ビタミンDスープの完成!
実はこんなに健康的な生活をしている私でも職場で血液検査をした時にビタミンDを調べてみたら低くかったのだ。日本では人間ドックや健康診断でこの項目は見たことない。調べたことがないので比較はできないが、明らかに基準値以下だった。でもこんなアクティブな生活で下がる理由が見つからない。もしかするとそれはコロナワクチンではないかと推測する。(エビデンスや証拠はないのであくまでも推測だが)もしくは、加齢? 何にせよ、ビタミンDを摂取することで免疫力が上がる事は間違いない。




今回はビタミンCとビタミンDが免疫作用に大きく関係していることが分かったのではないだろうか。セルビアでは両方とも生活の中で取りやすいことも発見した。そして、夏休みはみんな外で日光浴を満喫する。本当にリラックスすることに全力を注いでいる雰囲気が楽しい。仕事に身を注ぎ駆け足で時間が過ぎていく日本の感覚とは完全に違う。どちらが良いか悪いかではなく、自分が何を選ぶか?そこで何を発見するか? 今後も新しい発見を探したい。(写真は山のレストランで食べた物や、自分で作った料理です。)
今回も読んで頂きありがとうございました。 Vidimo se, Ćao👋 (またね)あい❤️
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【文/あい❤️】静岡県富士市看護専門学校卒業、正看護師免許、東京都榊原記念病院、中野総合病院、沖縄県徳洲会新都心クリニックにて、循環器科、小児科、総合内科、救急科、透析科等27年の勤務経歴。2人の子供がモンテネグロにサッカー留学したのをきっかけにセルビアに移住。看護師の視点から見るセルビアをSNSで発信している。また、ベオグラードにあるSAISEIクリニックで働きながら足湯をフットケアサービスとして展開中。