【文/ネヴェナ・ヨヴィチッチ】
8月も終わりを迎え、そろそろ夏ともお別れの季節です。9月になると学校の夏休みも終わります。長く続いた厳しい暑さもようやく和らぎ、少しずつ涼しい日が増えてきました。日が短くなり、夕方もずいぶん過ごしやすくなってきました。

果樹園や畑では、今もさまざまな農作業が続いています。もうすぐとうもろこしの収穫も始まります。今年はとても実りの多い年で、プラムやりんご、ぶどう、なしがたくさん実りました。畑でもトマト、きゅうり、かぼちゃ、パプリカがよく育ちました。
その一方で、もう6週間以上も雨が降っていません。厳しい乾燥が続くなか、残っている作物を何とか守ろうと、みんな懸命に世話をしています。


今はちょうどプラムの収穫時期です。プラムはセルビアを代表する果物のひとつで、セルビアの伝統的な蒸留酒「シュリヴォヴィツァ」の原料にもなります。収穫は家族総出の仕事です。

畑では最後のトマトが熟し、冬の保存食づくりの準備も始まっています。

じゃがいも掘りも始まりました。日中はまだ気温が高いため、農作業の多くは涼しい早朝や夕方に行います。


夏の間には、冬に備えて薪の準備もします。木を切り、薪にして、きれいに積み上げておきます。村で暮らしていると、いつ最初の寒さがやってきてもいいように準備しておかなければなりません。急に気温が下がれば、秋のうちから家で火をたくこともあります。そのため、薪の準備は実際に必要になるずっと前から始めます。
夏らしい日々も、あとわずかです。夕方に自転車で出かけたり、羊の群れを見守ったり、たき火でとうもろこしを焼いたりしながら、残り少ない夏を楽しんでいます。


まだ夏は終わっていませんが、すでに次の季節の気配が見え始めています。草はところどころ黄色くなり、庭先や村の道には枯れ葉が少しずつ落ち始めています。
セルビアの村に、もうすぐ秋がやってきます。

【文/ネヴェナ・ヨヴィチッチ】絵本作家。自身の本を通して、子どもたちに農村生活、民俗行事、伝統、家族の価値観を伝える。2024年5月にセルビアの農場の一日を描いた初の書籍『One day on the farm』を出版し、翌年にセルビア児童文学界で最も権威がある「ドシテイのペン」賞を受賞した。ほかにも、農場の四季をテーマにしたシリーズ本も刊行。書店でのワークショップを多数開催している。


